第二新卒の採用戦略

新卒一括採用の時期を過ぎた若手人材を、どう確保するか。採用市場が流動化するなかで、“第二新卒”という選択肢に注目が集まっています。入社から数年以内に転職を考える若手層は、即戦力とは言わないまでも、基本的なビジネスマナーや社会人経験を備えており、企業にとっては貴重な存在です。
本コラムでは、第二新卒採用のメリットや課題、採用戦略について解説します。
第二新卒とは
第二新卒とは、一般的に新卒入社から1〜3年以内に転職を考える若手社会人を指します。
新卒採用と中途採用の中間に位置するこの層は、近年多くの企業から注目を集めています。特に人手不足が深刻化する中で、基本的なビジネススキルを備えた若手を獲得できる点が魅力といえます。
第二新卒を採用するメリットと課題
メリット
基本的なビジネスマナーを習得している
新卒と異なりすでに社会人経験があるため、挨拶や電話対応、報連相などの基本的なビジネスマナーを備えています。そのため、入社後の教育コストを抑えることができます。
企業文化に馴染みやすく、柔軟性が高い
新卒のような柔軟な思考を持ちつつ、一度社会を経験しているため、適応力が高いのが特徴です。新しい環境への順応が早く、成長意欲が高い傾向があります。
新卒採用に比べて選考スピードが早い
新卒採用は1年以上の準備期間が必要ですが、第二新卒の場合は即戦力として採用しやすく、選考から入社までのスピードが速いという利点があります。
課題
早期離職のリスク
すでに一度離職を経験しているため、同じような理由で再び離職する可能性があります。そのため、選考時に退職理由を丁寧にヒアリングし、ミスマッチを防ぐことが重要です。
キャリア観の整理が必要なケースが多い
第二新卒の多くは、明確なキャリアビジョンを持っていないことがあります。企業側は、彼らがどのようなキャリアを望んでいるのかを確認し、長期的な成長を支援する姿勢を示すことが重要です。
第二新卒の採用戦略
採用ターゲットの明確化
第二新卒を採用する際には、「どのような人材を求めているのか」を明確にすることが重要です。
・前職で◯◯業界の経験がある人材
・前職での環境が合わなかったが、意欲はある人材
・スキルを活かしたいが、新たな業界・職種にチャレンジしたい人材
ターゲットが明確でないと、採用後にミスマッチが発生する可能性が高まります。そのため、採用の目的を明確にし、社内の受け入れ体制を整えることが必要です。
効果的な採用手法
第二新卒の採用手法として、以下の方法が効果的です。
求人媒体
第二新卒向けの転職サイトを活用したり、「第二新卒歓迎」のキーワードを盛り込むと、ターゲットに届きやすくなります。また、「なぜ第二新卒を歓迎しているのか」「入社後にどんな成長ステップがあるのか」「第二新卒で活躍している社員の事例」を合わせて発信することで、第二新卒採用に向けた企業の熱意が伝わり、応募が増える可能性があります。
ダイレクトリクルーティング
自社が求める人物像に対して、ピンポイントでアプローチができるため、より主体的な採用活動が可能になります。特に第二新卒の場合、転職への不安や迷いを抱えている人も多く、企業からのアプローチは心理的ハードルを下げる効果があります。
リファラル採用
第二新卒層は、自身のキャリアが浅いことで自信が持てず、転職市場で積極的に動けていないこともあります。
そうした“隠れた逸材”に出会うには、社員からの紹介=リファラル採用が効果的です。
また、社員からの紹介の場合、企業文化を理解したうえで応募する場合が多いため、ミスマッチが起きにくくなります。
SNS
第二新卒の世代は日常的にSNSを使っていることが多いため、SNSをうまく活用すると求職者が目にする機会が多くなります。企業アカウントなどで職場の雰囲気や若手のリアルな声などを発信することで、共感を生みやすく、転職を検討していなかった層にもアプローチできます。
企業側の受け入れ体制の強化
第二新卒は、入社後のオンボーディングが非常に重要です。第二新卒は基本スキルを持っているとはいえ、「自分は新卒扱いなのか?中途なのか?」と戸惑いやすいポジションです。
・育成担当やメンター制度の導入
・入社後3ヶ月のフォロー体制を可視化
・成長実感を持てるフィードバック機会を増やす
など、心理的に寄り添った環境づくりが離職防止にもつながります。
まとめ
第二新卒採用は、適切な戦略とフォロー体制を整えることで、企業にとって貴重な人材を獲得し、育成するチャンスとなります。
– 採用ターゲットを明確にし、適切な採用手法を選ぶ。
– 退職理由やポテンシャルを重視した選考を行う。
– 入社後のフォローを充実させ、定着と成長を支援する。
これらを意識し、第二新卒採用を成功に導きましょう。
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