出世欲は下がっている?キャリアアップの考え方
昔に比べて、出世欲は下がっているのでしょうか。
時代の変化に伴って、職業観にも変化が生じます。今回は、キャリアアップの考え方の変化について解説します。
出世欲は下がっている?
株式会社識学の調査によると、管理職になりたくないと考える社員は72%にのぼっています。
管理職になりたくない理由として、下記の理由が主にあげられます。
・出世欲がない
・責任をもちたくない
・仕事量が増える
・ワークライフバランスがとれなくなる
これらは、自分の上司の姿を見てそのように思う場合が多いのかもしれません。
この結果を見ると、出世欲は低いように感じます。しかし、別の調査では、出世したいと考える新入社員の割合は、平成元年は31.6%、平成31年は52.2%という結果が出ており、むしろ出世欲は増加しているともいえます。
そのため、最近の社員の出世欲の割合が下がったとは一概にはいえないことがわかります。
参考:株式会社識学「管理職に関する調査」(2023年)
参考:アデコ株式会社「仕事観に関する調査」(2018年)
キャリアアップの考え方の変化
先述の調査では、今と昔で出世欲の割合に大きな変化はないことが分かりました。
では、出世欲が減ったと捉えられるようになったのはなぜでしょうか。理由として、キャリアアップに対する価値観が変わってきたことが一因といえそうです。
株式会社マイナビの調査では、25卒の学生が考えるキャリアアップのイメージとして「出世して管理職になること」が22.5%、「自分の業務スキル・レベル・難易度を上げること」が46.1%、「新しい業務領域に次々に挑戦し幅広く経験すること」が26.1%となっています。
7割近くの学生が「自分自身の仕事のスキル・経験値を上げること」をキャリアアップのイメージとしていることがわかります。
定年まで同じ会社で勤め上げるという働き方以外に、昨今ではさまざまな働き方ができるようになりました。そのため、管理職になることをキャリアアップとしてとらえていた時代と変わってきているのかもしれません。
管理職になることではなく自身のスキルを上げることをキャリアアップとしてとらえているため、結果として出世欲が減ったように感じているといえます。
参考:株式会社マイナビ「2025年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(1月)」(2024年)
ギャップを埋めた採用活動
先述したように、キャリアアップに対する価値観は変わりつつあります。それに加えて出世欲がある社員も多いとはいえません。
採用担当が考えるキャリアアップと、新入社員が考えるキャリアアップの認識が異なると、企業の魅力が十分に伝わらない可能性があります。
例えば、管理職への出世をそこまで望んでいない場合、管理職へのスピード昇進を魅力として押し出したとしても求職者には響きません。
求職者が何を求めているのかをしっかりと把握し、企業の魅力をアピールする必要があります。
まとめ
出世欲の低下に着目すると、キャリアアップの価値観に変化があることがわかりました。こうした変化は働き方や社会情勢の変化によって常に変わります。今の求職者が何を求めているのか、動向を注視することが必要です。
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